がん領域薬剤師の1日は多忙で、かつ多職種との連携に満ちた日々です。この記事では、ある1日の流れを時系列で詳しくご紹介します。これから医療現場に出る若手薬剤師、研修医、看護師の皆さんの参考になれば幸いです。
8:30 業務開始
出勤後まず行うのは、当日の化学療法レジメン確認。患者ごとの体重、腎機能、肝機能、直近の検査値を確認し、投与量やスケジュールに問題がないかをチェックします。
電子カルテや楽歴を見ながら、前日や当日の状態変化を見逃さないよう慎重に確認します。
8:45 抗がん剤の調製開始
抗がん剤調製室に入り、個人防護具を着用し調製作業を開始します。ダブルチェックを行い、調製した薬剤のラベル、投与量、溶解液の種類・量を徹底確認。抗がん剤曝露を防ぐための安全操作も欠かせません。
10:30 外来患者の服薬指導・副作用確認
外来化学療法室に移動し、当日治療を受ける患者さんへ服薬指導を行います。
患者さんの顔色、食欲、排便状況、皮膚・口腔の状態、神経症状の有無などを確認し、必要に応じて医師に処方提案を行います。
セルフケアのアドバイスや緊急受診の目安も丁寧に説明します。
11:30 カンファレンス参加
がん治療カンファレンスに参加。医師、看護師、管理栄養士、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーと共に患者さんの治療方針、副作用マネジメント、社会的支援について話し合います。薬剤師として薬物療法の調整案、副作用対策の提案を積極的に行います。
12:30 昼休憩(でも情報収集)
昼休憩中も学会抄録や新しいガイドライン、治療法の最新情報に目を通します。臨床に直結する知識をアップデートし続けることが、患者さんのために大切です。
13:30 病棟回診・患者面談
午後は病棟回診や入院患者さんの面談へ。副作用の出現状況を直接確認し、必要に応じて投与スケジュールの調整や支持療法の提案を行います。外来とは異なり、一人一人の患者さんにゆっくり時間をかけて説明を行っていきます。
15:00 治験・臨床試験関連業務
治験薬の管理、患者さんへの説明支援、症例報告書作成補助などを行います。安全性情報の確認やモニター対応も大切な業務のひとつです。
16:30 レジメン・投与計画の見直し
当日の治療経過や検査データをもとに、翌日以降のレジメン、投与スケジュール、支持療法薬を再確認。必要があれば医師へ提案し、電子カルテへ反映します。
17:30 終業・振り返り
その日の患者さん対応やカンファレンス内容を振り返り、記録を整理して終業します。責任は大きいですが、患者さんの安心・安全を守る誇りががん薬剤師の大きなやりがいです。
いかがでしたか?がん薬剤師のリアルな1日は、患者さん、チーム、そして社会の健康を支える重要な役割の連続です。今後もブログで現場のリアルや役立つ知識を発信していきます。ぜひ感想や質問をコメントでお寄せください!

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