がん領域で“活躍している薬剤師”に共通する習慣とマインド

キャリアシリーズ

がん領域で活躍している薬剤師には、特別な資格知識の深さだけでなく、日々の業務における“考え方”や“習慣”に共通点があります。

「どうすれば自分も一歩近づけるか」
そんな視点で、実際に現場で信頼されている薬剤師たちの共通項を、わかりやすく紹介していきます。


① 「治療全体」を見ている

活躍している薬剤師は、処方の内容だけでなく、その薬がなぜ選ばれたのか次に起こりうる変化は何かを常に考えています。

たとえば:

  • 1stラインのレジメンから2ndラインへの移行タイミングを予測
  • 併用薬や支持療法を含めたトータルケアの設計
  • 治療目標(根治/延命/緩和)を意識した関わり

ただ薬のことを知っているだけではなく、「治療全体を理解しようとする視点」を持っているのが特徴です。


② 「副作用は“察知”して対処するもの」と考えている

副作用は、患者さんの申告を待つのではなく、事前に察知・予防し、早期に対応することが重要です。

活躍している薬剤師は:

  • 初回投与前に“起こりうる副作用”を必ず患者と共有
  • 訴えがなくても、視診・問診・会話の中から兆候を拾う
  • Grade1の段階で医師に情報提供し、対応を早める

まさに「副作用の番人」。
この積極性が、患者さんの信頼にも直結します。


③ カルテの“行間”を読むクセがある

ただ指示された処方や検査値を見るのではなく、カルテの流れや他職種の記録を読んで状況を把握する力も重要です。

  • 看護師のSOAPに出てくる「夜間の不眠」→ステロイドの影響かも?
  • 医師の記録に「次回レジメン変更検討中」→事前に薬剤候補をリストアップ

文字になっていない“背景”を想像できる人は、現場で重宝されます。


④ 自分が“介入した結果”を評価する習慣がある

「副作用の訴えがあった → 対応薬を提案 → 実施された」
ここで終わるのではなく、その後どうなったかを追いかけるのが活躍薬剤師の習慣です。

  • 本当に症状は改善したのか
  • 副作用により治療が中断されなかったか
  • 提案した支持療法の有用性はあったか

「やって終わり」ではなく、“成果”を見届ける姿勢があるからこそ、次の提案に説得力が出ます。


⑤ 専門領域を持ちながら、他領域も尊重している

「がん薬物療法が専門」と言いつつ、活躍している薬剤師は以下のような姿勢を持っています。

  • 緩和ケア、感染症、栄養管理の知識も積極的に学ぶ
  • 看護師や栄養士、薬局薬剤師との連携を大切にする
  • 他人の専門を否定せず、組み合わせることで最適解を導く

チーム医療のなかの“調整役”としての自覚があるからこそ、信頼される存在になります。


⑥ 学びを“アウトプット”している

学会、院内勉強会、SNS、ブログなど――
何らかの形で、学んだことを発信・共有する習慣がある人は、成長スピードが段違いです。

  • 書くことで思考が整理される
  • フィードバックを受けてさらに視野が広がる
  • 情報発信によって新たなつながりができる

自分のため、チームのため、患者のため――
**学びを止めない“発信力”**が、活躍の原動力となっています。


まとめ:活躍する薬剤師に“特別な人”はいない

ここまで紹介した内容に、特別なスキルや才能は必要ありません。
すべては「明日から意識すればできること」ばかりです。

  • 治療の全体像を理解しようとする
  • 副作用を先読みし、早期に介入する
  • 自分の介入の結果を見届ける
  • 学んだことを言語化し、共有する

これらのマインドを日々の業務のなかで少しずつ積み上げていけば、気づいたときには“活躍している薬剤師”になっているはずです。


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