「がんに強い薬剤師になりたい」
薬学部で学ぶうちに、あるいは現場に出たばかりの頃に、そんな想いを抱く人が増えています。
がん治療は進化を続ける最前線の分野。そして薬剤師は、その治療を支える重要なチームメンバーの一人です。
この記事では、薬学生や20代の若手薬剤師が、将来がん領域で活躍するために「今からやっておくべきこと」を、具体的に紹介します。
なぜ今、がん領域に専門性を持つ薬剤師が注目されているのか?
がん治療の中心は、手術・放射線・薬物療法の3本柱ですが、特に薬物療法は急速に進歩しています。
- 免疫チェックポイント阻害薬
- 分子標的薬
- 経口抗がん剤
これらの新薬は、副作用マネジメントや服薬支援が非常に重要であり、薬剤師の介入が患者のQOLや治療継続に直結します。
そのため、病院・薬局を問わず、「がんに強い薬剤師」のニーズが年々高まっているのです。
がん領域に進むためにやっておきたい5つの準備
① 抗がん剤や支持療法薬の基礎を学ぶ
まずは以下を理解しておくと、現場でもスムーズに成長できます。
- 代表的な抗がん剤の分類と作用機序
- 副作用(悪心、骨髄抑制、脱毛など)の特徴
- 制吐薬やG-CSFなど支持療法薬の役割
➡ おすすめ書籍:「がん薬物療法レジメンハンドブック」「今日の治療薬」など
② ガイドラインを読むクセをつける
臨床の現場では、ガイドラインを根拠に薬を選ぶのが基本。
若いうちから「がん薬物療法ガイドライン」や「制吐薬ガイドライン」などを読んでおくと、他の薬剤師と大きな差がつきます。
③ 学会・講習会に積極的に参加する
学生でも参加できる学会や講演会が多数あります。
- 日本病院薬剤師会
- 日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)
- 医療薬学会
興味のある分野で参加してみると、「専門の世界」を肌で感じることができます。
④ ロールモデルを見つける
大学の先生、実習先の病院薬剤師、SNS上の専門薬剤師など、「この人みたいになりたい」と思える人を見つけましょう。
明確な目標があると、進路選びや勉強のモチベーションが格段に上がります。
⑤ 資格制度を理解しておく
将来的に目指せる代表的な資格はこちら:
- がん薬物療法認定薬剤師
- 外来がん治療認定薬剤師
- がん専門薬剤師
※これらは、がん領域の実務経験が必要です。
「いつ、どこで、どんな経験が必要か?」を早めに把握しておくことで、進むべき道が明確になります。
進路選びで失敗しないために
将来がん領域で働くには、最初の勤務先選びも非常に重要です。
以下のような環境を狙いましょう:
- がん診療連携拠点病院
- 外来化学療法室を持つ病院・クリニック
- 緩和ケアチームや在宅がん治療に関与する薬局
こうした施設では、がんのレジメンや副作用マネジメントを間近で学べるチャンスが豊富です。
➡ 早めに求人情報を見ておくと、将来の選択肢が広がります。
まとめ:今からできることが、未来の自分を変える
薬学生・若手薬剤師のうちにやっておくことで、将来のキャリアに大きな差が出ます。
がん薬物療法の世界は、確かに奥深く、簡単ではありません。
ですがその分、やりがいと専門性、そして患者との深い関わりが得られる分野でもあります。
「いつかがん領域に進みたい」ではなく、「今から一歩ずつ準備する」ことが、未来の専門薬剤師につながります。
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